鍵のお話し

ある人の体験談です。

人の数だけ人生があるように鍵も、またその数だけ人生があるのです。

そういった人と鍵の関係の体験談をまとめました。

鍵とは、あなたの大切な物を守るための道具なのです。

だからこそ、もう一度、鍵という存在を見つめなおしませんか?

あなたは、鍵を大切に扱っていますか?

他界した父の金庫

父が長い闘病の末、他界しました。

幼い頃から父のイメージは、本の虫でした。

仕事から帰っては、メガネをかけて本を読んでいました。

入院中でも、ずっと本を読んでいました。

そんな大好きだった父が亡くなり、遺品整理をしていた時のことです。

父の書斎に、母も見たことのない金庫がありました。

鍵も見つからず、ダイヤルナンバーも分からないので、鍵屋さんに来てもらうことになりました。

 

電話したその日の夕方。

家族みんなの立会いの元、鍵屋さんの丁寧な説明を受けながら破錠という、ダイヤル部分を壊して開けるやり方を勧められましたが、遺品だということを説明しますと、時間はかかりますが、無傷で開けさせてくださいと鍵屋さんが言ってくれました。

誰もダメだといいませんでしたし、むしろ鍵屋さんがそこまで考えてくれるとは・・・と家族みんなが喜んでいました。

そして、開けてもらった金庫の中には、父の自筆で書かれていた原稿用紙が、びっしりと入っていました。

父が書いた話をじっくりと読んでみました。

 

まったく面白くありませんでした。

だからきっと、父は恥ずかしかってたんでしょうね?

鍵の交換とかで、鍵屋さんに来てもらったことはありましたが、金庫を開けてもらうのは初めてで、本当に開けられるのか?とか壊されるんじゃないか?など不安な点も、正直ありました。

しかし、来てくださった鍵屋さんは、本当に丁寧で時間をかけて傷つかないように開けてくださいました。鍵のことで困ったら、今後、この鍵屋さんにお願いしようと思いました。

今回は、本当にありがとうございました。

 

ひったくられたカバン

私が鍵の交換をするきっかけとなったのは、いつも持ち歩いているカバンが、ひったくりに遭ったからでした。あの時の恐怖は、今でも忘れてはいません。

 

その日は、休日でした。残業が続いて、やっとの休みをもらえたのを、今でも覚えています。仕事が終わり、やっとの思いで、友人たちと食事に行っていて、楽しい時間を過ごしたのです。

友人たちと別れて、駅から家まで一人で歩いていました。すると後ろから、バイクに乗った男性がカバンを奪っていきました。そのままスピードを落とすことなく、男性は、走り去っていったのです。一瞬の出来事だったので、しばらく呆然としていたのですが、我に返って急いで警察まで行きました。

 

カバンには、財布はもちろん携帯などの貴重品、そして家の鍵が入っていました。カードや携帯はすぐさま停止し、悪用されないように手続きをしたので、あまり心配は無かったのですが、家の鍵だけはどうしても心配でした。

「もしもひったくり犯があの鍵を使って家に入ってきたとしたら…」一人暮らしなこともあって、不安が増す一方でした。

警察の方にも、防犯対策として出来るだけ鍵は交換しておいた方が良いとアドバイスを貰っていたので、鍵を交換することに決めました。

住んでいるアパートの管理者に連絡を取って、鍵の交換の許可を貰い、早速業者さんを呼んで施工をしてもらいました。

 

業者さんの手際は本当に良く、あっという間に交換が終ってしまいました。鍵は以前よりも防犯性に優れたものにして頂き、一安心してました。

翌日の晩、私は安心しきって眠っていました。しかし、ドアノブを何度もガチャガチャと回す音と、男のわめき声が、10分ほど続きました。

私は、恐くて身を細めていました。もしもあの時、すぐ様に業者さんに来てもらわなかったらと思うと、今でもゾッとします。

あのバイクの男性が、何者だったのか?今では分かりません。

ですが、防犯という面でも鍵を交換することはとても大切なことだと感じました。

鍵を交換して、本当に良かったです。業者さん、ありがとうございました。

カギとは、何気ないものですが、私達の身近なもので、何よりも命の関わりのある代物です。カギにも人の一生分の人生があります。だからこそ、鍵という存在を改めて考え直してほしいのです。我々は、こう考えています。カギとは、パートナーであると。

ある意味、鍵によって身を守られているといっては過言ではありません。

あなたというパートナーを、大切に扱っていただけたらと思います。